知っていますか?建具のこと

つくる建具

人にやさしく"すぐれもの"の木製建具

建具には金属や時にはプラスチックなどの新素材が使われることがありますが、人気が高く、機能的に優れ、日本の気候風土に最も適しているのは、木製の建具です。

木製建具が高い評価をえているのは、木は伐採され、製材され、加工されて建具になっても「生きている」ことが、最大の理由です。
木は、ジメジメした梅雨の時期には水分を蓄え、夏になると水分を放出して室内の湿度を調整して、住む人の健康と住宅を守っています。こうした四季おりおりの湿度の変化に合わせた「湿度調整機能」が備わっているのは、木が「生きている」からです。

人々の暮らしと季節の変化を微妙に調整する木は、大自然からの贈り物であり、限りなく人にやさしい素材なのです。

建具の分類

建具の“動き”による分類

・開き戸・・・前後に開閉する玄関ドアなど
・引き戸・・・左右に開閉する障子や襖など
・折れ戸・・・建具が折れて開閉する、ローゼットドアなど

建具の“素材”による分類

【木】
・ムク建具・・・ムクの木材を使用
・フラッシュ建具・・・骨組みの上に合板を張って製作

【金属】
・鉄・・・マンションの玄関などに多い
・アルミ・・・雨や風のあたる外回りに多い
・ステンレスなど・・・店舗などで使用されることがあります

あなたといっしょに暮らしをつくる建具

人が家を持ち、家族とともに暮らすようになって以来、建具は人々の暮らしのなかにありました。
家を建てれば、出入り口や明かりとりが必要になり、そうした「開口部」をふさいだり、開けたりする道具が、建具のルーツです。

「建具」は中世に生まれた言葉といわれてますが、今日本に残っている最も古い建具は、伊豆山木遺跡から出土した弥生時代の木製の扉です。

人々の暮らしが進化して、住む家も変化する中で、建具も発展してきました。
特に明治維新以来、日本の住宅は「西洋建築」を取り入れ、大きく変化してきました。
建具のデザインや素材などが大きく変わり、多様になっています。
さまざまな建具が今、人々といっしょに暮らしているのです。

木の特性を生かしたプロの技術

木のもっている「やさしさ」は、ぬくもりと柔らかさ、うるおいを与えてくれます。
その上、美しく、時にはワイルドでもあります。
さらに木製建具は、こうした木がもっている優れた性質をどうすれば生かすことが出来るかを知っているプロの技術者(職人)によってつくられています。
木製建具は、大自然と伝統の技術が出会ってつくられた作品なのです。

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