建具は働き者です

新しいマイホーム、新しいお部屋、そこには必ず新しい建具があります。
その建具が豊かさやうるおいのある暮らしに大切な役割を果たしていることに、もうお気づきになりましたか。
建具なんて知らないよ、などと言わないでください。
お客様を最初に迎える玄関のドア、雨や風を防いでいるサッシ、部屋を機能的にする間仕切りドア、そこにあるだけで落ち着きを感じてしまう障子や襖-、このすべてが建具なのです。
なくては困ってしまうバスルームやトイレのドアを含めて、建具は人々の毎日の暮らしを支えているもう1人の主役なのです。
いい仕事をしています
建具は”働き者”です。難しい役目を軽々とこなしている。
”働き者の建具”をもっと活用して、もともと身につけているパワーを発揮させることが出来たら、暮らしはより豊かでうるおいのあるものにできるはずです。
華やかにもてはやされることは少ないけれど、まるで寡黙な名人職人のように、もの静かにいい仕事をしている建具について、知っていただきたいのです。
つくる建具
建具には金属や時にはプラスチックなどの新素材が使われることがありますが、人気が高く、機能的に優れ、日本の気候風土に最も適しているのは、木製の建具です。
木製建具が高い評価をえているのは、木は伐採され、製材され、加工されて建具になっても「生きている」ことが、最大の理由です。
木は、ジメジメした梅雨の時期には水分を蓄え、夏になると水分を放出して室内の湿度を調整して、住む人の健康と住宅を守っています。こうした四季おりおりの湿度の変化に合わせた「湿度調整機能」が備わっているのは、木が「生きている」からです。
人々の暮らしと季節の変化を微妙に調整する木は、大自然からの贈り物であり、限りなく人にやさしい素材なのです。
建具の分類
・開き戸・・・前後に開閉する玄関ドアなど
・引き戸・・・左右に開閉する障子や襖など
・折れ戸・・・建具が折れて開閉する、ローゼットドアなど
建具の“素材”による分類
【木】
・ムク建具・・・ムクの木材を使用
・フラッシュ建具・・・骨組みの上に合板を張って製作
【金属】
・鉄・・・マンションの玄関などに多い
・アルミ・・・雨や風のあたる外回りに多い
・ステンレスなど・・・店舗などで使用されることがあります
人が家を持ち、家族とともに暮らすようになって以来、建具は人々の暮らしのなかにありました。
家を建てれば、出入り口や明かりとりが必要になり、そうした「開口部」をふさいだり、開けたりする道具が、建具のルーツです。
「建具」は中世に生まれた言葉といわれてますが、今日本に残っている最も古い建具は、伊豆山木遺跡から出土した弥生時代の木製の扉です。
人々の暮らしが進化して、住む家も変化する中で、建具も発展してきました。
特に明治維新以来、日本の住宅は「西洋建築」を取り入れ、大きく変化してきました。
建具のデザインや素材などが大きく変わり、多様になっています。
さまざまな建具が今、人々といっしょに暮らしているのです。
木の特性を生かしたプロの技術
その上、美しく、時にはワイルドでもあります。
さらに木製建具は、こうした木がもっている優れた性質をどうすれば生かすことが出来るかを知っているプロの技術者(職人)によってつくられています。
木製建具は、大自然と伝統の技術が出会ってつくられた作品なのです。
ドア~建具 お手入れ方法

ドア~もっともたくさん使われている建具~
最近では洋風の住宅やマンションが多くなり、ドアは玄関、個室、トイレやバスルームなどにたくさん使われています。
ドアは構造によって、ムクドアとフラッシュドアに分けられます。
一本のクギも使わないムク戸
構造的にはたいへん丈夫で耐火性に優れていることから、玄関など外部に面した開口部に使われます。ただ、国内外において木材資源が不足し、木材を大切に使おうという機運が高まっていて、ドアに適した良質の材料を揃えることが困難になってきています。
価格も高価になり、高級品として認識される傾向にあります。
質感の高いフラッシュドア
フラッシュドアというと”安モノ”というイメージの時代もありましたが、合板の質の向上、デザイン、加工方法の進歩などによって質感の高いものになっています。
また、木材資源の有効利用になることから普及が進み、現在は日本の住宅の室内ドアのほとんどはフラッシュドアになっています。
多彩なデザイン・機能
この基本に、タテ・ヨコの桟の数、パネルとガラスの組み合わせ、曲線を用いるなど無限のバリエーションがあります。洗面所やクローゼットなどにある程度の通風が必要な場合には、ガラリ(ルーバー)を組み合わせます。また、住宅環境や自然風土に適応した遮音・防火性能を強化したドアも開発されています。
これだけはご注意!
玄関ドアが強風にあおられて、開閉すると大変危険です。
ドアクローザーは強風でも急に開いたり、閉まったりしないように設計されています。
できるだけ取り付けるようにしてください。
玄関ドア
濡れ雑巾で汚れをふき取り、からぶきして下さい。
ドア・建具用のワックスをかけると、汚れがつきにくく、長持ちします。
室内ドア
汚れの程度によって濡れ雑巾や、住宅用洗剤などを使い分けてください。
蝶番(丁番または丁双)
潤滑剤の代用品として、サラダオイルなどの食用油は使わないで下さい。ゴミやホコリを吸収して動きが鈍くなるおそれがあります。
スライド蝶番
ゆるんだまま使用していると、ドアの落下などの原因になります。
ドアノブ・バーハンドル
ラッチ(ドア枠にカチャッと入る出っ張った部分)には、定期的に潤滑剤をさして下さい。
ドアクローザー
動きが早すぎたり、遅すぎる場合は「取扱説明書」に従って調整して下さい。
「時計方向」に回すと閉まる速さが遅くなることは共通していますが、メーカーによって調整方法に大きな違いがあり、やみくもにいじると事故の原因になります。建具屋さんに相談してください。
ドア~何でも相談室
「ギーーィ」とか「ギチギチッ」というような金属的な音の場合は、まず蝶番かドアチェックの異常が考えられます。
汚れを拭き取った後に、潤滑剤をさしてみてください。直らない場合は、蝶番やドアチェックが摩耗していることが考えられます。
この場合は、建具屋さんと相談して交換してください。

ドアが何かの理由で下がっていることが考えられますので、まず最初に蝶番のネジを点検してください。
ゆるんでいた場合は、ドライバーでしっかりと締め付けてください。
ネジ穴が大きくなっている場合には、一度ネジを抜き、ネジ穴の大きさに応じて爪楊枝、竹ぐし、割り箸など(木工用ボンドをつけるとさらに効果的です)をさしこみ、穴を埋めてから、締め直してみてください。
ネジを締め付けても直らない場合は、建具屋さんに相談してください。

カギ穴にシリコン系潤滑剤を少量、細かいノズルを使って吹き込んでみてください。
潤滑剤がない場合は、鉛筆の芯を削った粉でも代用できますが、油類(どんな種類のものでも)は禁物です。
絶対に使わないでください。
引き戸~建具 お手入れ方法

引き戸は、長い間、日本でもっとも一般的で代表的な建具でした。
長い歴史と伝統があるだけに、機能的にも優れ、安心して使えるため和室にも洋室にも人気の高い建具です。
溝やレールの上で開閉する(戸車を使うものもあります)方式とハンガーレールに吊られて開閉する方式などがあります。いずれの構造の建具も、たいへんスムースに開閉し、使いやすくなっています。
壁面を利用しているので、開閉のための余分なスペースが必要ありません。
また、バリアフリーとなるハンガー吊りは、車椅子やお年寄りにも使い勝手がよいという特徴もあります。
ほこりが大敵
掃除機を使ってこまめにほこりをとってください。
戸車(ハンガーレール式の場合は、吊り車)の動きが悪くなったら、シリコン系潤滑剤をごく少量、吹き付けてください。それでも動きがよくならなかったら、戸車を交換してください。
大掃除の時には、戸車をはずして溝やレール、戸車や吊り車をていねいにメンテナンスすることをおすすめします。
一年に一度、こうしたお手入れをしておくと、いつも気持ちよく動いてくれます。
なお、建具は意外と重いものです。はずす時は、倒したりしないように注意してください。
これだけはご注意!
お子様のいるご家庭では特に注意をしてください。
足を使ってあける人がいますが、建具を壊したりはずしたりしてしまって事故につながることがあります。くれぐれも注意してください。
障子と襖 お手入れ方法

障子は、木と紙を巧みに組み合わせた、ぬくもりいっぱいの建具です。木の暖かみと優しさを最大限生かした建具が、直射日光を遮り柔らかなひざしを造りだす紙を用いることで、暮らしのなかに落ち着きと静けさを演出しています。
和室のある暮らしをしたいという人が、決まって障子をつけたいと願うのは、障子が日本人の心の原点から誕生した建具だからではないでしょうか。
襖も、木と紙しか使わない、いかにも日本的な建具です。
さらに襖は、住宅の「部品」という役目だけでなく、襖絵という独特の芸術を生み出しました。
たいへん優れた特徴を持つ建具ですが、だからといって特別扱いする必要はありません。
ドアやその他の引き戸と同じように、暮らしの道具として扱ってください。

日常のお手入れ方法
他の引き戸と同じようにほこりが大敵です。
敷居の溝はこまめに掃除してください。
障子の組子の部分は、毛足の長いハケを使ってほこりを払い、白木の部分は、から拭きしてください。
また、引手その周辺は手の脂などが付着して汚れることが多くなりますが、から拭きでとれなくなったら中性洗剤を薄めて、堅く絞った雑巾でふくと効果があります。
框(かまち)、上桟(かみざん)、下桟(しもざん)に白木用ワックスをかけておくと汚れの防止と木肌の保護になります。
ただ、障子紙を張る部分にはワックスをつけないようにしてください。
張り替え

年に一回程度は新しい障子紙で、部屋だけでなく気も心もフレッシュになりましょう。
障子をはずし、ホコリなどを払い、裏側からハケ、スポンジなどでたっぷりと水をしみこませます。
2~3分したら、下からゆっくりとはがしてください。
→仕上がりをきれいにするために、紙をはがす前に、紙がどこまで張ってあったかを示す目印をつけておいてください。

糊がたれてもいいように、寝かせて作業をします(新聞紙を使うと、インクが障子につくおそれがありますのでご注意下さい)。
次に紙を元に戻して糊をつけ、ゆっくりところがしながら貼ります。
紙と障子が直接接している桟の部分を軽く押さえて、はがれないようにしてください。
最後に周囲の余った部分を定規をあて、カッターで切り落とします。
→幅の狭い伝統的な紙もありますが、現在は張りやすい一枚紙が中心になっています。また、紙質によっては、貼り終わってから、紙のたわみをとるために霧吹きをすることがあります。
説明書を読んでみてください。

引き戸~何でも相談室

溝とレールの場合、吊り戸の場合とでは原因が異なる場合がありますので、別々に説明します。
【1】 溝とレールの場合
溝の傷みやレールの曲がりを点検して下さい。敷居すべりを張り替えたり、潤滑剤をさしたり、レールの曲がりを直すと元に戻ります。
磨耗した戸車は交換する必要がありますが、戸車は種類が多く、戸の重さを考慮して選定する必要があり、建具屋さんに相談してみて下さい。溝が戸の開閉に支障をきたすほど磨耗していたり、鴨居が下がってきている場合は、おおがかりな補修が必要になります。
建具屋さんに相談してください。
【2】 吊り戸の場合
吊り車の磨耗や上部のハンガーレールのへこみや曲がりなどが原因となります。
潤滑剤をさしてもスムースにならない場合は建具屋さんに相談してください。
鴨居が下がり、戸がスムースに開け閉めできない状態でそのままにしておくと、まったく動かなくなったり、ついには取り外すことができなくなることがあります。
専門家の補修工事が必要です。早めに、建具屋さんや大工さんに相談してください。
折れ戸~クローゼット お手入れ方法

扉本体が折れて開閉するドアで、クローゼットなどの収納スペースやフローリング敷きのリビングルームの間仕切りに使われることが多い建具です。
上部のハンガーレールと下部のガイドレールによって固定され、上下のレールを移動することによってスムースに開閉します。こうした構造なので、天井いっぱいのドアを取り付けることが可能になり、開口部が広く使えるメリットが生まれます。
材料は木製が中心ですが、彫刻やガラスを使って豪華なイメージを表現したり、部屋を明るくすることもできます。
また、壁、床、天井、他の建具とのコーディネートも容易です。
ドアの開閉によるデットスペースが少なく、使い勝手のよい建具として最近人気が高まり、新しいアイディアにあふれた製品も数多く作られています。
左右どちらかの端を固定して、固定された側に折りたたむ「固定タイプ」と左右どちらにでも折りたためる「フリータイプ」があります。
リフォーム(増改築)などの際には、取り付けてみたい建具です。

扉本体が折れて開閉するドアで、クローゼットなどの収納スペースやフローリング敷きのリビングルームの間仕切りに使われることが多い建具です。
上部のハンガーレールと下部のガイドレールによって固定され、上下のレールを移動することによってスムースに開閉します。
こうした構造なので、天井いっぱいのドアを取り付けることが可能になり、開口部が広く使えるメリットが生まれます。
材料は木製が中心ですが、彫刻やガラスを使って豪華なイメージを表現したり、部屋を明るくすることもできます。
また、壁、床、天井、他の建具とのコーディネートも容易です。
ドアを固定している部分は、開閉の際に大きな力がかかるので、金具がゆるむことがあります。
放置しておくと、開閉がしにくくなったり、最悪の場合はドアがはずれる危険があります。
ボルトやビス類のゆるみを見つけたら、しっかりと締め付けておきましょう。

これだけはご注意!
あまり乱暴に扱うと、ドアがはずれる危険性があります。
どんな時でもドアのツマミなどを持ってゆっくりと。
折れ戸~何でも相談室

固定用のピンはバネ式になっていて、ドライバーなどでピンを押し込み、レール内にあるガイド穴に入れてください。
スライド蝶番で固定しているアウトセットタイプの場合は、蝶番をはめて固定用のビスをとめてください。
ガイドローラーが外れたために、ドアがレールから飛び出してしまうケースが多いようです。
ガイドローラーはバネ式になっていますので、押し込んだままの状態でレール内に戻してやればよいでしょう。
レール内を動く車と車を受けるジョイントの部分が外れてしまった場合には、ジョイント用のビスやボルトが紛失していないかを確かめて、締め直せば元に戻ります。
枠がゆるんでいたり、車が破損した場合は交換が必要です。建具屋さんに相談してください。
ドア全体が外れた場合は、上記のことを総合的に行えばいいのですが、ドアは大きく高さもあるので、あまり無理をしないで建具屋さんにご相談ください。
あなたのまちの建具屋さん

建具屋は住まいのホームドクター
建具屋は建具のプロであるだけでなく、建具・住宅全般のプロでもあります。
四季の変化が厳しく、雨風にいためつけられている住宅の内部で、いつも完璧な仕事をする建具をつくるためには、住宅に関しての知識が不可欠です。
また最近は、長年培った知識と経験を生かしてリフォーム全般や、システムキッチン、バス、トイレの改修など、住宅設備工事を行う建具屋も増えています。
あなたの大事なマイホームで気になることがあったら、とりあえず建具屋に声をかけてみてください。
見掛けは地味かもしれませんが、住宅についての知識とネットワークを駆使して、あなたの住まいの「ホームドクター」となってくれるでしょう。
全国建具展示会・作品集1








































全国建具展示会・作品集2





























全国建具展示会・内閣総理大臣賞














組子作品


























「組子コースター」づくり体験(動画)
戦前の建具雛形集その1(ミニ建具)



































戦前の建具雛形集その2(ミニ建具)



































